ベニシアとわたし(1)
先日、ベニシア・スタンリー・スミス氏が亡くなられました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
振り返れば、ベニシアは私の人生をそっと支えてくれていた人でした。彼女の強さや優しさ、温かさとともに、 私にとってのベニシアを記しておきたいと思います。
ベニシアは幼少の頃のご近所さんでした。小2から数年、 英会話の手ほどきを受けて、 学生時代には声をかけてもらって彼女の学校でアルバイトをしていました。
(右奥がベニシア、奥の真ん中あたりに私。 懐かしいお顔がたくさん見えます。 ご遺族に写真の掲載を承諾いただいています)
社会人になって疎遠になりましたが、渡米してからしばらく、NHK Worldの番組で、 彼女の変わらぬ姿や独特の声にホームシックの時期を癒されていました。英題は”At Home with Venetia in Kyoto"でしたかしら。
(NHKのサイトからお借りしました)
子供たちがトドラーになると、テレビやプリスクールから、 いろんなお遊戯を吸収してきます。そのいくつかは、「あ、 これ知ってる!」と懐かしいもの。ニコニコしながら良い声で歌って踊るベニシアとの思い出は、 異国でとにかく手探りで子育てをしている私にとって、 1人じゃないように思えて、心強いことでした。
よく覚えているのはこの3つ。
🎶ring around the rosies 🎶
🎵You put your right hand in 🎵
♩head, shoulders, knees, and toes♩
ワルツのレッスンもありました。 日本家屋の中をスリーステップでくるくる回るだけの事でし たが、貴族という彼女の育ちがあってのことだったのでしょう。ベニシアが男役で組んでくれていました。もちろんのこと、私には一度も舞踏会に出る機会はなかったですけ れど。
テーブルマナーについても教えてもらいました。印象に残っているのは、食卓で手を伸ばさないこと。「 少し遠くにあるものは、 周りの方に取っていただくようお願いするのよ、pass という単語を使ってね」と。これは私の子供にも言い聞かせています。
三つ子の魂百まで、ではないものの、 幼い頃にベニシアに教えてもらったことが、40年以上経っても身について、 助けてくれているのです。
今回はここまで。後一回、アルバイト時代のお話を少し書けたら、と思っています。
ではまた。